1.都電ターミナルのある街―三ノ輪橋界隈の風情―

 都電荒川線の始終点である三ノ輪橋停留所にオレンジ色の新型車両が止まっている。その向こうには新しい高層マンションが見え、手前のモッコウバラの絡まるアーチや古めかしい看板やシャッターなどと好対照をなしている。
 目と鼻の先には南千住駅や東京最大のドヤ街「山谷」(「あしたのジョー」の舞台)や東京最大のソープランド店街「吉原」(江戸時代の遊郭)もある。江戸時代に小塚原の刑場近くにあった泪橋の名前も残っている。
 近年は、1泊2千円程度で宿泊できる安宿が多くでき、世界中からバックパッカーが集まってきたり、交通の便の良さと土地価格の安さから高層マンションが次々に建つようになったりと、変化の兆しをみせるようになっている。
 とは言っても、ここでは昭和の香りがあちこちで漂い、市井の民がたくましく生きている。それが三ノ輪橋界隈の独特の風情を醸し出しているのである。
写真撮影者:日本大学4年 阿部 翔馬
2017年7月5日(水)14時24分
都電荒川線三ノ輪橋駅(東京都荒川区南千住1?15)にて撮影

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