6.築地の異国情緒―仏教寺院とキリスト教文化―

 築地本願寺の本堂を正面から写した写真。工事中で白いフェンスが邪魔をしている。
本願寺は親鸞を祖とする浄土真宗の本山だが、1602年に本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)とに分派し、今日にあっては京都市左京区で伝統的な中国式の本山を別々に構える。築地本願寺は、西本願寺の別院として1617年に浅草に建立。1657年の明暦の大火で焼失し、新開地「築地」の地で再建。1923年の関東大震災で焼失し、1934年にインド風の現在の姿になった。本堂の内部にはステンドグラスやパイプオルガンもある。
 この地には、明治の初めから約30年間、外国人居留地が存在していた。治外法権を与えられた日本の中の異国であり、文明開化の最前線スポットだった。キリスト教の宣教師が開いたミッションスクールを前身とする立教、明学、青学、女子学院などの発祥地でもある。聖路加病院があったから、米軍は空襲の対象にしなかったとも言われている。
異国情緒漂う築地本願寺の外観に、築地の歩みが反映されているかのようである。
写真撮影者:日本大学4年 田辺侑大
2017 年7月10日(月)13時23分
築地本願寺(東京都中央区築地3丁目15-1)にて撮影

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