12.東京型通学スタイル ―私も"越境"通学生!?―

2002_12_東京型通学スタイル.jpg
 ここは新宿、大ターミナルの夕方5時。制服に身をつつみ、背負ったランドセルからは通 学定期券をぶら下げている少女。自分の住む市区町村外に"境界を越えて"通学する児童・生徒を「"越境"通 学生」と定義するなら、彼女もその1人に違いない。
 2000年の国勢調査によれば、東京都内にある小・中学校への通学者807,915人の内、"越境"通 学生は92,918人を数え、全体の11.5%にあたる。次に多い神奈川県は5.9%、全国平均に至っては1.8%。東京の数字の高さが浮き彫りになる。そして、"越境"通 学生の大半は、全国852校のうち229校が集中する(2000年の『学校基本調査報告』による)都内の私立小・中学校の児童・生徒なのだ。高まる私立志向、高度に発達した交通 機関、それらに裏打ちされた越境への心理的障壁の低さ。こうした要素が、東京における"越境"通 学生を実に10人に1人強の割合にまで高めさせている。
 一見寂しげに見える彼女、しかしデータの向こう側から友達の姿が見えてくる。
写真原作者:慶応大学3年 長田桂
2002年7月5日(金)午後5時頃
京王線・新宿駅構内にて撮影

地図


大きな地図で見る

プロジェクト