6.透明人間になれる無料休憩所―ルミネエスト新宿によるくつろぎの仕掛け―

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 ルミネエスト新宿2階の休憩スペースである。7脚の椅子に座る人々の前方には開放感あふれる大きな窓、背中側に連絡通路。この休憩スペースには、写真には写っていないものを含めて30脚の椅子が置かれ、無料で利用できる。
 私たちが10月29日(日)の12時-17時に観察調査を実施した結果、194人が入れ替わり立ち替わり利用し、滞在時間は最短1分-最長2時間7分、平均25分であった。大半が単独で行動していたが、グループ利用も70人観察できた。中には1時間以上も仮眠していた高齢女性や、枕を使って30分ほど仮眠していた外国人女性もいた。 背後を歩く人々と視線を交わすことなく休憩ができるように設計されていることの効果は、絶大なのだ。「透明人間」になれる居心地の良い無料休憩所になっているのである。
 かつてこの場所は、56もの小さな椅子が所狭しに配置され、「客による無意識の上演」空間と化していた。それをこのように転換させた背景には、大規模商業施設間の競争が激化する中、顧客を定着させ満足度を高めて売上増を狙うルミネエストの計算が働いている。
写真撮影者:4年ゼミ生 松田 恋 
2023年6月10日(土)17時半頃
ルミネエスト新宿(東京都新宿区新宿3-38-1)2階の休憩スペースにて撮影

地図

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