24.北の玄関口「上野駅」 ―終着駅から通過駅への過渡期の中で―

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 1883(M16)年に開業し、丁度120周年を迎えた上野駅は、言わずと知れた「北の玄関口」。しかし、1991年に東北・上越の両新幹線の始発駅が東京駅に変わったことで、そのターミナル性は大幅に減じた。この流れは、上野発着の宇都宮・高崎・常磐の3線が東京駅まで延伸され、東海道線との相互直通運転が2010年に始まることで、決定的となる。
 そうした中、JR東日本は1999年に「みんなのえき」構想を打ち出し、2002年にプロジェクト第1号として上野駅がリニューアルされ、アトレ上野が誕生した。駅の持つ集客力を活用し、駅そのものを強力な商業施設に進化させようとする戦略である。ウェブでは、「あなたにとっての駅は、単なる通過点になってはいませんか?」という問いかけも。つまりこれは、通過駅に成り下がりつつある上野駅の起死回生策なのだ。しかし写真をよく見てほしい。駅の広場には、弘前のねぷたや五所川原の立佞武多のミニチュアが置かれている。
 上野駅は、東北地方を後背地として成り立っている面が、実は今でも色濃いのだ。
写真原作者:慶応大学3年 影山 誠
2003年7月9日(水)
上野駅広小路口(JR上野駅構内)にて撮影

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