20.これも一つの街の美化? ―街角の即席ゴミ箱―

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 街角に放置されたスクーターの前かごがゴミ箱と化している光景。ここにゴミを捨てていった人たちには、おそらく罪の意識はあまりない。強く意識することなく、このかごをゴミ箱として扱っている。ゴミのポイ捨てには多少の後ろめたさを感じる人の中にも、ここにならゴミを捨てていく人も多いだろう。一見すると、周囲にゴミが散乱していないため、ゴミをきちんと処理しているようにも見える。また、他の人がやっていることだから自分がやってもいいはずだ、という感覚が働いているのかもしれない。
 でも、このことは、<ゴミの処理はスクーターの所有者に>、<自分の意志決定は先にゴミを捨てた人に>、と責任を他者に押しつけることで初めて成り立つことなのだ。東京人は、自分自身が責任を負うことを、無意識のうちに避けようとしているかのようだ。
 スクーターの所有者は、このゴミを今度はどのように“処理”するのだろうか。
<写真原作者:日本大学2年 木下征彦>

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