29.現代新宿的事情 ―大きな街の灯・小さな家の灯―

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 夕暮れ時の新宿。遠方の西新宿のビルが、暮れた太陽に替わって輝き始める。都庁を筆頭に、オフィス街拡大の勢いは止まない。対して、手前は旧四谷第五小学校。「新宿区学校適正配置計画」により、1995年に近くの旧四谷第七小学校との合併(花園小学校と改名)に伴って廃校となった。現在、校舎は遺跡発掘事務所や日本語学校、校庭は自転車置き場や建設中の営団地下鉄13号線の事務所に活用されている。新宿区は、これまでに計6件の小・中学校の統廃合を行ってきた。区立小・中学校の児童・生徒数が、1958年の51,304人をピークに、80年31,358人、90年19,549人、2000年には11,633人と減り続けているからだ。オフィス街の西新宿、商業地域としての駅東口周辺。新宿発展の表舞台の裏で、巨大化していく街に押し出されるように、人々の生活空間が縮小し、居住人口は大幅に減少している。これが、新宿という街の現状なのだ。
写真原作者:日本大学3年 前原孝寛
2001年7月2日(月)19時
新宿区新宿5丁目にて撮影

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