7.踊る阿呆に真似る阿呆 ―高円寺のオリジナリティ―

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 商店街のアーケードで熱気溢れる阿波踊り。第50回東京高円寺阿波おどりの光景だ。
 お隣の阿佐ヶ谷で七夕祭が開始されたことに触発され、商店街の振興行事として1956年に始まった。当初は踊り手38人、観客2,000人であったが、徳島との交流や関係者の努力により、踊り手1万人、観客120万人の東京有数の祭りに成長した。他にも阿波踊りを地域振興に取り入れた所はあるが、いずれも高円寺の規模と回数には及ばない。
 阿波踊りは400年続く徳島の伝統的盆踊りである。それを地理的に遠く離れ、文化的にも全く異なる東京の地にしっかりと定着させた。阿波踊りが始まった頃、高円寺周辺は中央線沿線の住宅地化に伴う来住者増加の真っ最中であった。地元商店街が仕掛け、伝統やしきたりや格式にとらわれないニューカマーを取り込んで、紆余曲折を経ながら踊る阿呆と見る阿呆を高円寺が育てたのである。
 だからこそ、オリジナルな「高円寺阿波おどり」に成長できた、と言って良いだろう。
写真撮影者:日本大学4年 吉見隆子
2005年8月28日(日)21時30分頃
パル商店街(杉並区高円寺南3丁目)にて撮影

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