2.ちんちん電車も変身中 ―東急世田谷線のラッピング車両―

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 1907(M40)年開業の玉川電気鉄道を前身とし(今でも玉電の愛称で親しまれている)、世田谷区の三軒茶屋と日大文理学部のある下高井戸を約20分で結ぶ東急世田谷線。かつては、路面(軌道)を走る緑色の古びた2両編成の車両で、夏場は扇風機と窓からの風でしのいでいた。それが、ここ1,2年で大変身を遂げた。バリアフリー対策が施され、冷暖房完備の新型車両が導入された1999年に続き、2000年6月には、写真のような車体全体に広告を貼るラッピング車両が登場した。まるでお茶のペットボトルのようだ。
 2000年4月、石原慎太郎知事のリーダーシップのもと、東京都は「屋外広告物条例」を改正し、路線バスや路面電車の車両への商業広告を認めるようになった。風情があってどこか懐かしさを感じさせてくれていた「ちんちん電車」も、規制緩和の流れに飲み込まれ、いつのまにかコマーシャリズムの対象になっている。
写真原作者:日本大学4年 大野紘輝
2001年7月22日(日)15時
東急世田谷線下高井戸駅(世田谷区松原)にて撮影

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