22.景観重視の環境軽視? ―自動販売機設置の功罪―

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 ビルの壁にズラリと並んでいる自動販売機。しかし、以前は自販機がなく、壁の周りを放置自転車が取り囲んでしまい、街とビルのイメージを悪化させていた。スバルビルはその解決策として、1994年に自販機を設置した。ビルの前はきれいになり、周りの景観はすっかり良くなった。
 自販機の上に目を向けると、地球環境を意識した標語に気がつく。環境問題の一つに、二酸化炭素など温室効果ガスの増加による地球温暖化がある。自販機は常に熱を放出し、ゴミも出すため、決して環境に良いとは言えない。だが、駅前のビル街に設置されたことで、ついつい便利な自販機を利用してしまう。景観のよさや便利さを手に入れた一方、資源の浪費や環境への負荷を増大させてしまった。元はと言えば、私たちのモラルの希薄さが生んだこの問題は、標語とは裏腹に地球環境の悪化につながる皮肉な結果となった。
 考えてみよう! 「限りある地球資源を大切にしましょう」とは一体何なのかを。
写真原作者:日本大学3年 藤田真也
2002年7月20日(土)
新宿駅西口(新宿区西新宿1丁目)にて撮影

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