11.ゲーム愛好者たちのコミュニケーションの仕方―ゲーム機片手にアキバに集合!―

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 大人も子供も前かがみになり、ニンテンドーDSを無言で見つめている。2009年7月にヨドバシカメラAkiba店が開設した、すれちがい通信広場「ルイーダの酒場」での一風景である。混雑時には時間制限や入場規制がなされ、休日ともなると常時50人以上の人で溢れかえる人気スポットだ。
 すれちがい通信とは、半径30m以内でニンテンドーDS同士が自動的に互いの情報を共有する機能である。人気ソフト「ドラゴンクエスト」では、すれ違うことで宝の地図を交換したり、対戦することで限定モンスターを入手したりできる。ゲームを極めようとする人は、より多くの、よりコアなプレーヤーと出会うために、ゲーマー密度が際だって高い秋葉原に集結する。
 いまや秋葉原の街そのものが「すれちがい空間」と化している。至る所で、他人と一切言葉を交わすことなく安心してゲームに没入することができる。誰であるのか分からなくとも、彼らは、他者と通信(テレコミュニケーション)を介して確実につながっている。
写真撮影者:日本大学2年 善養寺春菜
2012年7月22日(日)12時24分
ヨドバシカメラマルチメディアAkiba前(東京都千代田区神田花岡町1丁目1)にて撮影

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