17.新宿29時 ―「今日」の終焉のために―

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 土曜の朝5時、新宿駅東口。押し寄せる人の流れが駅へと向う。こうした光景は、西口や南口では見られない。これは、新宿駅と歌舞伎町という二つの要素が絡み合い生まれた光景なのである。10本もの鉄道路線が乗り入れ、1日の平均乗降客数が346万人(日本一)を数える新宿駅。都心部と近郊をつなぐ交通ネットワークの要であるこの街は、他に類を見ない集客力を誇る。そして、その東側に位置するのが、歓楽の総合空間・歌舞伎町。飲食、カラオケ、風俗など様々な欲望のはけ口を持つこの街は、多くの人々を魅惑してやまない。約2,500軒にも及ぶ店舗のネオンの下で、朝まで遊び続ける人々が引きも切らない。
 人を集める新宿駅、魅了し滞留させる歌舞伎町。彼らの「今日」は、24時をまわっても終わることなく続く。そして、眠らない街に朝を告げるのが、動き始めた始発電車なのだ。
 歌舞伎町で遊び疲れた人々が、「今日」に終止符を打つために、29時の新宿駅へと向かっていく。
写真原作者:日本大学2年 鈴木秀之
2003年6月21日(土)5時15分
JR新宿駅東口のアルタ前(新宿区新宿3丁目)にて撮影

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