5.外観で客を呼び寄せるマジック ―拡張する古書店街―

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 カラフルな店の前で足をとめるポップな装いのカップル。視線の先には、POPEYEや洋雑誌が並べられている。Magazine(雑誌)とMagnify(拡張する)の2単語を連想させる古書店Magnifは、2009年に開店し、主にファッション誌のバックナンバーを扱っている。
 後藤ゼミによる聞き取り調査(10/15・17・19)では、Magnifを初めて利用した29人中、外装に惹かれて入店した客が16人もいた。店主の中武康法さんは、「ファッション誌は他の書籍と異なり、時代によって評価が大きく変わることに魅力がある」と語る。そうした独自性の強い商品に合わせ、このような明るく、目立つ店構えにしたそうだ。
 従来の古書店は、専門性が高いのは勿論、窮屈で店に入りにくい雰囲気が漂っている。だがMagnifはそうしたイメージを打ち破る派手な外観で、古書に興味がない客をも自然と呼び寄せる。この斬新なスタイルが、176の古書店が密集する世界一の古書店街で特異なものとなり、神保町の新たな魅力を拡張するきっかけになっている。
写真撮影者:日本大学3年 松野まりあ
2012年7月26日(土)14時13分
東京都千代田区神田神保町1-17にて撮影

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