10.錦糸町の鉄道高架下に広がる不思議な光景 ―歩道が青く照らされる理由―

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 車道と歩道が頑強な橋桁と防護柵によって分離されている上に、幅の広い歩道が青く輝く。高架の上にはJR総武線の電車が走っている。両側の歩道だけが青く浮き上がり、見通しも良好だ。JR錦糸町駅西側にある鉄道高架橋の光景である。スカイツリーも見えている。
 歩車道を完全に分離するのは歩行者を車から守るため。歩車道を壁で遮断しないのは歩行空間の死角を最少化するため。ここは、墨田区を含む江東エリアで最大の繁華街・歓楽街であり犯罪発生率も高い錦糸町駅周辺地区の一角だが、周りには小中学校も多く、通学路になっている。だから、これらは理にかなう。では、なぜ歩道だけを青色で照らすのか。
 この26基の蛍光灯は「青色防犯灯」と呼ばれ、2008年度に東京都が「地域防犯モデル事業」の一環で設置した。青色には犯罪を抑止する効果があるという触れ込みで、2005年以降に日本各地で導入されたが、効果はハッキリしていない。だとすれば、錦糸町の高架下は、「青色防犯灯の犯罪抑止効果に関する実証実験」にまさに打って付け、ということか。
写真撮影者:日本大学4年 相原将哉
2016年11月7日(月)17時19分
JR総武線高架下の歩道近く(東京都墨田区江東橋2-19-7)にて撮影

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