15.東京都檜原村 ―東京の中の非「東京」―

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 ここは東京都西多摩郡檜原村。都心から直線距離にして約55キロ、山梨県と神奈川県との都県境に位置する、人口3586人(1997年3月現在)の小さな村である。行政的には東京都に含まれながら、特別区部 への通勤・通学率が僅か1.3%(90年国勢調査)にすぎない点に端的に表れているように、「東京」の中心部とは日常生活圏的な結びつきをほとんど有しない独立コミュニティである。“「東京」への組み込まれ度 を表す後藤スケール”(最高+10点-最低-10点)によれば、檜原村のスコアは、60年;-10点、70年;-8点、80年;-8点、90年;-7点と推移しており、この点を裏付けている。つまり檜原村は、東京都ではあっても、「東京」には含まれない。しかしこの村へは、秋川渓谷の清流と奥深い山々に囲まれた豊かな自然に安らぎを求めて、年間120万人もの観光客が訪れている。檜原村は、「東京人」の「癒しの里」でもあるのだ。
写真原作者:日本大学4年 宮川竜貴
1998年8月17日(月)
東京都檜原村にて撮影

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