16.新宿の小さな青果店―46年間、ずっとこの街と共に―

新宿青果店.jpg
 「好吃(ハオチー)!!(おいしい)」と言いながら黄色いスイカのカットフルーツを頬張る2人の中国人女性。新宿ALTA横に位置する、創業1967年の青果店「百果園」での一場面だ。店員が棒に刺さったスイカやパインやメロンを包装袋から取り出して渡してくれるため、手を汚すことなく気軽に食べられる。値段も100-200円と低価格で店一番の売れ筋だ。
 客には外国人も多く、その大半がアジア人だ。後藤ゼミが行った調査(6日間に渡って実施)では、カットフルーツを購入した外国人130人の内94人がアジア諸国の人々で、多い順から中国(49人)、タイ(13人)、韓国(11人)であった。また、リピーターもおり、写真のように日本在住の留学生が、観光で日本にやってきた母国の友人を連れて来るケースも見られた。
 カットフルーツの手軽さと清潔感が、日本人だけでなく、屋台文化の定着するアジア人の趣向にも上手く合致した。この青果店は、多種多様な人々を引き寄せ、常に新しい文化や経済をダイナミックに創造している巨大繁華街「新宿」という土壌の上に、成り立っている。
写真撮影者:日本大学3年 永井温子
2012年5月18日(金)17時32分
「百果園」新宿店(東京都新宿区新宿3丁目24-5)にて撮影

地図


大きな地図で見る
東京都新宿区新宿3丁目24-5

プロジェクト