20.ご来店をお待ちしております ―看板が語るTokyoの国際化―

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 「日本人は日本にいる限り外国語は必要ない!」とお考えのア・ナ・タ、私を見たらさぞかし驚かれるわね? でも、ここ大久保では、私みたいな看板は珍しくないのよ。実際、店の客も半分は外国人だし。中でもアジア系の方がその9割を占めているわ。東京にいる外国人は半数以上がアジアの方なのだけど、この地域には特に集中してるのよ。ところで、東京に来られる外国人の数のピークはバブル崩壊直前の頃だったの。皆、母国では手にすることのないような大金を夢見て、働きに来たのね。でもこの長びく不況でしょ。職がなくて、大金を得るどころか生活費にも困っている方が大勢いるのよ。で、手軽に現金を得られるうちみたいな質屋が重宝されるワケ。せっかく求めてきて下さるお客様を相手にしない理由なんてないわよね。だから私も4カ国語、頑張ってみたの。お蔭様で、商売は上々よ。あなたのご来店もお待ちしているわ。それじゃ、See You!
写真原作者:日本大学3年 安勝煕
1998年7月6日(月)
新宿区大久保にて撮影

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