9.「東京」の動脈硬化 ―通勤・通学者の難民化―

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 2005年7月23日の午後4時35分頃、千葉県北西部を震源とする13年ぶりの震度5の地震が東京を襲った。写真は発生2時間後のJR秋葉原駅の様子である。
 秋葉原にはJR山手・京浜東北・総武各線と地下鉄日比谷線の計4路線が通っているが、この2時間に到着するはずの上下231本の電車が不通となり、足止めを食った人々で溢れかえった。止まることなく流れ続ける「東京」が動脈硬化症に陥ったのだ。
 2000年国勢調査によれば、23区に区部外から通勤・通学する者だけでも347万人。毎日、1千数百万もの人々が滞ることなく絶えず流れ続けることで、「東京」は生命を維持している。この時は3-4時間で復旧し(約150万人が足止めされたに留まっ)たが、もしM7クラスの首都直下型地震が起こったら、交通網はズタズタに寸断され、「帰宅難民(歩いて帰れない人々)」が最悪で500万人近くに上ると推定される(国の中央防災会議による)。
 動脈硬化が高じて、「東京」が脳出血や心筋梗塞を引き起こす時、あなたはどうなる!?
<写真撮影者:社会学科3年 長戸健太郎>
2005年7月23日(土)18時半頃
JR秋葉原駅構内(千代田区外神田1丁目)にて撮影

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