9.東京駅のセントラリティ―1914年から2012年への断続と連続―

1.
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 2012年6月、創建時の姿に復原された東京駅丸の内駅舎がお目見えした(写真1)。10月1日に全面開業すると、ドーム内でも視線やカメラが向けられるようになった(写真2)。
 東京駅は、東海道・東北・中央・総武・京葉の各線、東海道・東北の両新幹線の7路線で0キロポストが設置される、JRで一番起点が集中する日本の中央駅なのである。だが、東京駅が出来たのは、日本の鉄道が幕開けした1872(M5)年から実に42年も経った1914(T3)年のことだった。日清・日露の両戦争の勝利による国威の発揚を背景に、列強の仲間入りを果たした帝国(皇国)日本に相応しい中央停車場として設計された。横幅335m、総3階建ての荘厳な赤レンガ駅舎は、皇居の真正面に位置する「天皇の駅」の色彩が際だっていた。
 1945年に米軍の東京大空襲による炎上を受けて2階建てに再建されたが、65年もの歳月を経て1914年当時の姿に戻った。2012年の東京駅には、丸の内の、日本の主役が天皇であり続けることを再確認し、かつてのような体制に引き戻そうとする意志が、どこかに漂っている。
2.
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写真撮影者:1.日本大学4年 河野琢実 2.日本大学4年 與那覇博
1.2012年6月24日(水)14時30分 2.2012年10月11日(木)15時20分
1.丸の内ビルディング(東京都千代田区丸の内2丁目4-1)5階より 2.東京駅丸の内北口コンコース(東京都千代田区丸の内1丁目9)にて撮影

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東京都千代田区丸の内2丁目4?1
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東京都千代田区丸の内1丁目9

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