11.アフター5のトゥィンクル ―レジャーのセグメンテーション―

1998_11_アフター5のトゥィンクル.jpg
 “夢”という言葉を、競馬ファンは“馬券”と解釈する・・・。
 東京特別区競馬組合の主催する大井競馬(TCK)が、新機軸として日本初のナイター競馬(トゥンクル)を始めてから早12年。仕事帰りのサラリーマンやOL、若いカップルが気軽に立ち寄れるように、泥臭いギャンブルの場からこぎれいでおしゃれなレジャースポットに大変身させるという作戦は功を奏した。他の多くの公営ギャンブルがほとんど平日の日中にしか開催されず、来場者も固定化、高年齢化してじり貧状態に陥っている中、大井は今や数少ない黒字経営の地方競馬場になった。東京の大衆レジャーはウィングを更に広げると共に、平日のアフター5をも射程におさめた。しかし、その分だけレジャーの分節化が確実に進行し、各レジャー間の生き残り合戦が熾烈さを増した。
 万馬券に託す夢は、時には人生を破壊することもある・・・。
写真原作者:日本大学3年 原田たか子
1998年7月8日(水)
大井競馬場にて撮影

プロジェクト