18.「食」から「客」へ ―マクドナルド化最前線―

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 全122席の内2人席は8つ、他は全てカウンター席(手前)と個別ブース席(向こう側)。新宿駅周辺のマクドナルド9店舗中ここだけで採用されており、平日はオフィス街に至近であるために慢性的な満席に陥る。2005年12月31日に改装して以降、売上も増加した。
 長居を可能にする店舗形態は、一見、効率性・計算可能性・予測可能性・コントロールを原理とする「マクドナルド化(McDonaldization)」(G.リッツア)に反している様に見える。しかし、2006年10月18日(水)の午前11時-午後5時過ぎに、ここで時間を過ごした239人の滞在時間を調査した結果、2人席の平均40分に対し、個別席は24分であった。個別ブース化すれば居住性の高いプライベートな空間にはなるが、ビジネスマンの一人客が長居する可能性は低く、結果的に回転効率を高めることができる。
 連れだった客を大胆に切り捨てて一人客をメインターゲットとするこの風景は、マクドナルドが「食」の合理化のみならず、「客」を合理的に選別し始めたことを示している。
 
写真撮影者:日本大学4年 佐藤美菜子
2006年7月15日(土)15時30分頃
マクドナルド新宿スバルビル店内(新宿区西新宿1丁目)にて撮影

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