26.お台場発「昭和」行き ―「懐かしさ」来て・見て・触って・利用して―

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 お台場。若者色の強いこの街に、2002年10月、「昭和30年代」が現れた。戦後の復興期から高度経済成長期への転換点で、夢と活気に溢れた時代。それを演出したのが、ここ「台場一丁目商店街」なのだ。記号化された「昭和30年代」のレトロなイメージが展示されている。象徴的に創られたこれらの記号は、訪れる人々に「懐かしさ」を揺り起こす。それは、原体験を持った人々のみに留まらない。なぜなら、若者にも内面化されているからだ。メディアが各時代を生きた人々の「ノスタルジー」を繰り返し表象することで、若者もまた自分の知らない時代を日常的に追体験しているのである。
 この場所は「懐かしさの再生産装置」として機能し、あらゆる世代の人々を引き寄せる「集客装置」でもあるのだ。それが証拠に、写真のように中高年や家族連れなど、お台場ではこれまであまり目立たなかった客層も導いている。
 お台場から昭和へ。さあ、あなたも「懐古」の世界へと出発してみませんか。
写真原作者:日本大学3年 戸祭恵美
2003年6月18日(水)17時頃
デックス東京ビーチ(港区台場1丁目)にて撮影

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