20.千代田区喫煙者収容施設 ―「共存」のための「隔離」―

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 喫煙者にとって、とりわけこの1年は受難の様相を強めた年であった。2002年10月、千代田区が「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」を施行し、千代田区内での歩きタバコが全面禁止となった。2003年5月には国の「健康増進法」が施行され、非喫煙者の受動喫煙に対する配慮を義務付け、喫煙スペースも激減した。
 そんな中、2003年3月に日通ビルの1階に「Smokers' style秋葉原店」が誕生した。これは、JTが「喫煙者と非喫煙者の共存」を目指して設置・運営している喫煙所である。JTの発表によると、平均で平日2,500人、休日4,000人の喫煙者が訪れている。タバコに対する風当たりの特に強い千代田区において、吸いたいけれど吸えない喫煙者(=JTの顧客!)を、非喫煙者から完全に「隔離」することで「共存」を実現させている。
 かくして、タバコ吸いが格別の一服を求めて、Smokers' styleという檻の中へ自発的に「収容」されに行く。完全隔離が近未来図となることを予感しながら・・・。
写真原作者:日本大学4年 藤田真也
2003年7月22日(火)14時頃
Smokers' style秋葉原店(千代田区外神田3丁目)にて撮影

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