8.フリマのテナント化 ―屋上の囲い込み―

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 多くの若者でにぎわうこのフリーマーケット、実は池袋パルコの屋上で開かれている。
 今、百貨店をはじめとする大型店舗は不況の影響をもろに受け、ファッションの分 野でも専門店やブランドショップに押されっぱなしで、客足が遠のいている。他方で、不況などどこ吹く風、というより不況だからこそか、フリーマーケット(略して「フリマ」と若者は言う)はどこも大盛況だ。おそらく、パルコはこの集客力に目をつけたのであろう。多くの人々が集まるフリマを囲い込むことによって相乗効果を高め、各テナントの売り上げ増につなげていくという戦術。フリマは、パルコの新しいテナントなのだ。
 パルコは、ラフォーレなどと同様、様々な流行や新しいカルチャーを創造・発信し 続けてきた。そのパルコがフリマを取り込もうとしているところに、若者の消費スタイルを変化させる流動的なファクターを強く意識していることが表れている、と言えよう。
写真原作者:立正大学2年 折笠充洋
1998年4月19日(日)
池袋パルコ屋上にて撮影

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