22.大学のまちのランドマーク ―「国立らしさ」はどこへ行くのか―

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  東京駅(丸の内駅舎)、原宿駅、田園調布駅、そして赤い三角屋根で有名な国立駅。駅舎はまちの顔であり、人々をまちにアイデンティファイする力を秘めている。
 国立の歴史は、西武グループの創始者・堤康次郎が、関東大震災後に東京商科大学(一橋大学)を招致して、「国立大学町」を開発したことに始まる。大学との間で、中央線にモダンな駅舎を作り(1926年に請願駅として開業)、駅舎から一直線の大通りと放射状の道路を通すこと等を約束した。国立が、一橋大学を中心に学園都市として歩むことが最初の段階で明確にされ、80年かけて「らしさ」を熟成していったのである。切っても切れない関係性は、大学内の建物で採用されたロマネスク様式が国立駅舎で見られる事にも現れている。
 2006年10月、国立駅舎は中央線高架化工事のために撤去された。復元し保存する方針以外、具体的なことははっきりしていない。国立がどのようなまちになっていくのかは、駅舎がどのように生まれ変わるかにかかっている、と言っても過言ではないだろう。
写真撮影者:日本大学4年 高橋隆介
2006年7月13日(木)14時頃
JR国立駅南口(国立市中1丁目)にて撮影

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