11.新橋こいち祭 ―「縁石」の「宴席」が白色で埋まる時─

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 列を成して歩く人々と縁石に腰掛ける人々。ダークのスラックスに白シャツ姿が特徴的だ。7月21・22日(木・金)に行われた「第16回新橋こいち祭」の一場面である。
 こいち祭は新橋周辺の17町会・12商店会が「小一時間楽しんでもらおう」という意味を込めて毎年開催している祭で、「ゆかた美人コンテスト」をメインに、周辺企業や各町会・商店会が屋台を出店する。ビールとおつまみと縁石で構成される即席宴会が、お勤め帰りのサラリーマンの足を「ちょっと一杯だけ」と引き止める。新橋の周囲には、西側に霞ヶ関の官庁街、東側に汐留のオフィス街などが取り囲む。だから、街には巨大都市の中枢機能を支えるホワイトカラーがクールビズ姿で溢れかえることになる。
 縁石に座る本人たちは自由に振舞っているつもりでも、傍から見れば整然と並んで見えてしまう。祭という非日常の中でも周囲と同調し、空気を画一化させてしまえる「東京」都心部に生息するホワイトカラーの一面が、見事に表出されている。
写真撮影者:日本大学4年 新井博子
2011年7月22日(金)19時03分
柳通り(港区新橋2丁目)にて撮影

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