3.欧米ビール文化の受容と定着 ―銀座が紡ぐビアホール物語―

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 ビール麦を収穫する女性やビール工場が描かれているガラスモザイクの壁画、天井にはオクトーバーフェストにちなみドイツ三色旗を模した布が垂れ下がり、下では大勢の人々がビールを楽しんでいる。1934(S9)年竣工の現存する最古のビアホール「ビヤホールライオン銀座七丁目店」である。大日本麦酒(現サッポロビール)の本社ビルにもなっていた。
 銀座は、日本初のビアホール「恵比寿ビヤホール」が1899(M32)年に誕生した場所(8丁目)であり、1918(T7)年には七丁目店の前身である「銀座ビヤホール」が開店している。欧米のビール文化をいち早く受容し、「ビヤホール」と共に定着させていった最先端基地となったのが銀座だったのだ。私たちのインタビューに応えて、「小さい頃に親に連れられてきて印象に残り、大人になったら最初に飲みに来る店はここと決めていた」と語ってくれた常連客がいた。世代を越えて、「ビヤホール」が継承されていることがわかる。
ビアホールが産声を上げて117年。ビール文化は銀座で発酵し、日本中に広まったのだ。
写真撮影者:日本大学4年 高荒奈々
2016年10月7日19時22分
銀座ライオンビヤホール(東京都中央区銀座7-9-20)にて撮影

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