12.こだわりが作り出した空間―シモキタ・スタイルの形成―

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 どこまで続くか予測できない暗闇に吸い込まれて行く人々。ここは下北沢駅北口から約3分の場所にある東洋百貨店である。19店舗中の8店舗が古着屋で占められている。
 多くの街に存在する古着屋だが、小さなテナントがこれだけ集まる場所はあまり例を見ない。ラフォーレ原宿などのテナントではその時々の流行やトレンドに引っ張られるが、東洋百貨店ではオーナーの目にかなった一点モノが並ぶので、一般的な意味での流行り廃りはない。
 後藤ゼミの調査(10月21日12:20‐13:20)によると、客数327人中20代までの若者は221人であり、全体の68%を占めていた。訪れる若者たちを思い、国内大量買い付けによる薄利多売などの工夫によって価格が抑えられ、安くて良いモノを提供することが可能になっている。
 「オーナーのこだわり」を買い、「自分のこだわり」として身に着ける嬉しさ。それを一つの空間で幾通りにも味わえる東洋百貨店。流行や商品価格にとらわれずにファッションを楽しむということが、ここならではのスタイルとして定着している。
写真撮影者:日本大学3年 山本愛香
2012年7月22日(日)13時頃
東洋百貨店(東京都世田谷区北沢2丁目25-8)にて撮影

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