10.イベント化するフラッシュモブ ―偶然から必然へ―

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 広場には、揃いの白い衣装を纏った人々。それを取り囲む人だかりは、2・3階にまで広がっている。この直後、突如流れ始めた音楽に乗り、広場の人々が次々と踊りだした。これはマイケル・ジャクソンのファン組織である非営利団体TtMJが行った、お台場VenusFortでの「フラッシュモブ」の様子である。
 フラッシュモブとは、仕掛け人が同志を募り、公共の場で奇妙な行動をしてすぐに解散する群衆(モブ)のこと。アートやいたずらを目的として準備はほぼ不要とされるが、日本では、入念な練習や段取り、事前の告知までがなされる「見せ物イベント」と化している。
 東京では、都に認められたアーティストしか路上でパフォーマンスが自由にできない。過去には、インターネットで呼びかけられたフラッシュモブが、「混乱を招く行為は許されない」と警察によって阻止されたこともある。フラッシュモブのイベント化は、「自由」が大幅に制限されている“非”世界都市・東京ならではの現象だったのだ。
写真撮影者:日本大学2年 坂部あき子
2014年6月22日(日)15時30分
VenusFort(東京都江東区青海1-3-15)にて撮影

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