1993年 天然水に熱い視線

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1993年、天然水の国民一人当たりの年間平均消費量が3リットルの大台を超える。それ以降はうなぎ登りで、2007年には20リットル近くに達した。その結果、水道水をそのままの状態で「よく飲む」人は「時々飲む」と合わせても29%で、「まったく飲まない」が35%にも達している。とりわけ女性では各年齢を通じて多く、39%が「まったく飲まない」と答えた。ミネラルウォーター類では、国内産が76%、輸入が23%を占め、そのシェアはほぼこの数年変わっていない。むしろ国内産地間の競争が激化する傾向にある。国内産を100とすれば、山梨が39.8%を占め断トツで、以下、二位が兵庫、三位が富山、四位が静岡、五位が石川、六位が鹿児島で、上位6県で全体の80%を占める。特徴としては、従来からの富士山や立山連峰など山岳地下水だけではなく、富山湾などの海洋深総層水に目が向けられてきていることだ。市場は年率6%で増え続けており、日本でもミネラルウォーター志向が本格的に定着している。2006年には日本に珍しい「ウォーターバー」が登場した。さる総合飲料メーカーが直営するこのお店には国内外のミネラルウォーターが40種類も置かれ、お酒と合わせて自分に合ったものが選べることを謳い文句に開店する。目下の一番人気はオーストリアのレモンの香りがする炭酸水とか。国民、とりわけ女性層の低カロリー・低刺激・低甘味の食料を求めるスタイルが強まっていることから、ミネラルウォーター類がぜいたく品と考えられた時代は終わり、健康のために必須なものと捕えるトレンドが需要を支えている。

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