21.テクノクラートの休息 ―ヘッドクォーターのオアシス―

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 暑い太陽が照りつける昼下がりの日比谷公園。公園を取り巻く霞が関・有楽町・丸の内一帯は、官庁や企業の中枢管理機能が大規模に集積する日本全体の政治・経済・社会システムのヘッドクォーターだ。1903(明治36)年に開園した我が国最初の西洋式公園である日比谷公園は、日本のテクノクラート(専門的な知識や技術を持ち、組織の意志決定に関与する行政官や管理者)達にとっても絶好のオアシスであり続けている。
 暑さが厳しいにも関わらずこの場所で思い思いの昼休みを過ごす人々は、一人物思いに耽ったり、仮眠をとったりして、ゆったりと時を過ごすことで疲れを癒している。しかしその休息も時計を気にしながら、まるで短時間の間に体をつくろい直そうとしているかのようだ。午後1時前後になると、彼らはさっと姿を消していった。
写真原作者:日本大学4年 伏尾はるか

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