5.やおい ―東京が培養した男性同性愛物語―

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 「欲望」「18禁」の文字が際立つ「やおい」のコーナー。「男×男の恋愛物語」が性行為も絡めながら描かれる。マンガ・アニメなどの専門店であるここアニメイト吉祥寺店では、売り場の約4割強を占めている。
  「やおい」を含めサブカルチャーの多くは、生活が豊かになり趣味にかける時間と金とに余裕が生まれ、消費社会化の進んだ70年代に誕生した。それまで、「やおい」は一部の女性(書き手)が仲間内で同人誌を交換し合うに留まっていた。それが、1975年に虎ノ門の日本消防会館で開催された第1回コミックマーケット(同人誌即売会)をきっかけに、需要が高まり、商品化され、やおい市場(マーケット:生産→流通→消費)が形成されていった。
 出版業界にも参入した「やおい」だが、本や雑誌を扱う出版社は全て東京にある。書き手も読み手も全国に散らばっているが、両者をつなぐ流通拠点は東京である。東京が「やおい」を育て、増殖させているのだ。

写真撮影者:日本大学4年 高野美香
2004年8月3日(火)16時頃
アニメイト吉祥寺店(武蔵野市吉祥寺本町2丁目)にて撮影

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