19.開放性と視認性がもたらすもの ―マルイとGROMの関係―

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 赤いテープで規制されるほどの行列は、すぐ隣の新宿三丁目駅の階段付近まで続いている。ここは新宿マルイ本館1階にある、日本初上陸のイタリア・トリノ発祥のジェラート店GROM。新宿マルイ本館の全面改装と同時(2009年4月)にオープンした。
 改装はテナントの入れ替えだけでなく、建物自体を建て替えるものであった。道路を挟んだ向かいに新宿伊勢丹、隣には三越がある中、マルイのみが一重扉で他店は二重扉となっている。GROMはマルイの入口扉の一つを専用入口としており、ガラス張りの店内から「GROM」の文字を外にはっきりと見せている。
 つまり、マルイは一重扉とガラス張りによって開放性と共に視認性を高めた。さらに客を外に並ばせることで新たな客を呼び込み、結果的に店の内外で二重の「見せ方/魅せ方」に成功している。
 マルイは店舗自体を演出装置に転換させ、GROMを自らの顔に仕立て上げたのだ。
写真撮影者:日本大学2年 高瀬彰子
2009年7月12日(日)19時16分
新宿マルイ本館前(新宿区新宿3丁目)にて撮影

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