14.デコレーション・ステーション ―なんだってこんなに広告が…―

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 これでもかという程の広告で溢れかえる東急東横線渋谷駅のホーム。他の駅であまり目にすることのないホーム内でのフラッグ広告が多数見られる。
 東急電鉄によると、「より効果の高い交通広告媒体の開発に力を注ぐ」という戦略の一環としてなされたものであり、フラッグ広告と柱広告はそれぞれセットで申し込まなければならない。一週間の掲示費用は、20枚のフラッグ広告が300万円、柱広告は5本で60万円。企業側にとって、大勢の人が利用する渋谷駅で安く宣伝を行えることは大きなメリットとなる。東急側にとっても、この空間だけで年間約1億7千万円の収益をもたらす。
 2003年度の鉄道大手8社の年間輸送人員は46億1800万人。最盛期の91年度に比べて2億4000万人も減少した(日本民営鉄道協会調べ)。こうした状況の中、広告でも規制緩和が進み、東急が新手を打ったのである。鮮やかな広告で着飾ったこのホームからは、ありとあらゆる場所を利用してなんとか生き残ろうとあがく企業の貪欲さが感じ取れる。
<写真撮影者:社会学科4年 大畠真季子>
2005年10月4日(金)15時頃
東急東横線渋谷駅ホーム(渋谷区道玄坂1丁目)にて撮影

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