2.孤独な群衆 ―ゴルフ練習場に見る都会人の意識と人間関係―

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 東京の都心部にある巨大なゴルフ練習場。ゴルフは今や、日本の「会社人間」にとって必須科目。社内での、あるいは取引先との、有利な人間関係をつくったり維持したりするためには、欠かすことのできないツールですらある。だから、皆脇目もふらずに黙々と、しかし心の中ではある種の思惑を秘めて、練習に励んでいる。
 利害の絡む第二次集団内でのコミュニケーション手段としてのゴルフを、プロのスイングを思い浮かべ(まね)ながら、機会仕掛けの人形よろしく皆ほとんど同一のフォームで、一人孤独に練習する無数の人々。ここには、「東京人」の「孤独な群衆」(D.リースマン)としての特質が、くっきりと浮かび上がっている。
写真原作者:日本大学4年 柏木亮二

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