19. 裏世界入門:池袋風俗店篇 ―知恵袋・銭袋・玉袋―

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 「ラピュタ」の電話が鳴ると、女性客は受付嬢に促されるまま“となりのトトロ”へ消えていく。ラブホテル「トトロ」の地下にある、女性専用漫画喫茶ラピュタに一般客はほぼおらず、実質提携店の風俗嬢待機場所となっている。
 地代の高い東京では、店内に窓口だけを設け行為は近隣ホテルでという風俗店が多い。行為設備を備えた店は、都の条例で営業時間や場所等の厳しい規制を受けることから、条例の抜け道として、このような無店舗型が“知恵”を絞り“利益”を伸ばしている。そして無店舗型の密集する池袋で、顧客獲得のために生まれた知恵が地下の漫画喫茶なのだ。
 ラブホテルに一見何の関連もない施設を作ることで、風俗店は風俗嬢に待機場所のある安心感を、また立地の妙から客への素早いサービスを提供できる。これにより評判も上がり、ホテルの宣伝にもつながる。求める利益を享受しあう裏システムに、男性達の“欲望”が絡め取られていく。ここには、そんな裏世界の好循環が存在している。
写真撮影者:日本大学3年 原田健一
2004年8月3日(火)15時頃
池袋駅北口へいわ通り商店街(豊島区池袋1丁目)にて撮影

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