1.駅舎が創り出す社会風景―東京駅と上野駅―

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 東京駅丸の内駅舎と上野駅公園口駅舎(2020年に新設)。東京駅では、超高層ビル群と駅舎を背景にウェディングフォトを撮影している。上野駅では、ライトアップされたベンチに一定の間隔をとって人々が座っている。新宿・渋谷・池袋駅に代表される、デパート等の商業施設と一体化している(駅舎の外形が不明な)駅では見られない光景である。
 東京駅丸の内駅舎は、「写真映え」するので、ウェディングフォトの人気撮影スポットとなっている。2023年10月20日(金)の18:00時点で、6組が3,4m間隔で撮影していた。
 上野駅公園口駅舎前のベンチを2023年11月1日(水)の18-20時に観察したところ、利用者は63人で、待ち合わせ28人、休憩35人だった。待ち合わせていた2組を追跡してみたら、他の出口からのほうが近いラブホテルや飲食店へと入っていった。この時間帯は駅前の広場も人がまばらになることもあって、あえてこの駅舎前で待ち合わせしたようだった。
 新幹線の停車駅でもあるこの2つの駅では、独立した外形がくっきりと浮かび上がる駅舎そのものに、人を集める不思議な引力が働くのである。

写真撮影者:写真上-立正大学社会学科 2年 木村朱希
2022年11月10日(木)17時21分
JR東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区丸の内1)を背景に行幸通りの遊歩道にて撮影
写真下-4年ゼミ生 池頭純平
2023年5月25日(木)19時44分
JR上野駅公園口(東京都台東区上野公園7)前の広場にて撮影

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