7.ガラスのYeah!! ―一歩先の生き方へ―

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 善福寺にあるこの家は、ほとんどの壁がガラス張りで、家の中が見渡せてしまうデザインになっている。建て売りの住宅ではなく、持ち主とデザイナーとがコンセプトをもって設計したものだそうだ。閑静な住宅街で緑も多い環境の中、無機質なつくりがひときわ目を引く。この家の住人は、「プライバシーを守るためには壁に囲まれて暮らすことになる。それよりも、自由で開放的な暮らしをしたい」と語る。そうした思いから選択された前衛的なライフスタイル。それは都市生活における他者への無関心や合理的で一時的な人間関係へのアンチテーゼを含むものでもあり、それをこの「個性」的な家で表現している。
 社会学者ジンメルによれば、大都市では「分化」が促され社会圏と価値観が多様化(差異化)することで、「個性」が発達する。社会圏が「交差」して新しい選択肢が次々に生まれ、それぞれの世界を広げていく可能性を持つのである。
 自由に。個性的に。東京にはそんな生き方もある。
写真原作者:日本大学2年 高野美香
2002年6月15日(土)
杉並区善福寺にて撮影

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